2010年11月アーカイブ

物件を探していると周囲の相場に比べて安い場合、まずは何か問題がないかを怪しむ必要があります。前述した通り、中古住宅の値段はそのほとんどが土地の価値によって決まりますので、何か問題が無い限り、格安にはならないのです。


a.事件や事故
事件や事故とは、「この家で殺人事件が起きた」「この家で誰かが自殺した」という類のものです。そのような状態であっても平気だという方ならいいのですが、たいていの方は気味が悪く思われます。

このような情報は、近隣の方に聞く事が一番でしょう。礼儀正しく訪問すれば、意外と教えてもらえるものですので、購入前に一度は聞いておきたいものです。

b.権利関係やトラブル
物件が相場よりも安価である場合、権利関係や近隣とのトラブルがある可能性があります。「建物の劣化」や「周辺環境の悪さ」などは見学すれば発見できるものですが、権利関係の問題は物件を見学しただけでは分かりません。

権利関係やトラブルは下記のようなものが考えられますが、法務局に行って登記簿謄本(土地・建物)。をチェックするのはもちろんのこと、近隣への聞き込みも忘れないようにしましょう。


・所有者と売主が違う!!

・所有者が複数存在する!!

・相続のトラブルの真っ最中!!

・物件に売主以外の人(いわゆる占有屋)が住んでいる!!

・隣家との敷地境界線で揉めている!!

・今の所有者が公共料金を滞納している!!


不動産の登記簿謄本には土地・建物の2種類があり、それぞれ「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」という欄があります。

土地の「表題部」は、「所在」「地目」「地積(面積)」等、建物の「表題部」には「所在」「家屋番号」「建物の種類」「建物の構造」「床面積」等が記載されています。何れも、広告や重要事項説明書の内容と相異がないかを確認する必要があります。


権利部(甲区)は、その物件の所有者に関する権利、権利の変遷の履歴が分かります。甲区では「現在の所有者が本当に売主であるか」「複数の所有者がいないか」「仮差押えなどの登記がされていないか」をチェックするようにしましょう。

権利部(乙区)は、所有権以外の権利関係、具体的には「抵当権」や「根抵当権」などが記載されています。中古住宅では住宅ローンの担保として「抵当権」が設定されている場合が多いので、このような場合は、「引き渡しまでに抵当権を抹消する」という一文を売買契約書に入れる必要があります。

また、「賃借権」のような権利がついている場合にも、注意が必要となります。

最後に、登記簿謄本の一番下を見てください。ここには、この登記簿が「いつの時点」でのものかを示すために、日付が打ってあります。その日付があまりにも古いものであれば、最新のものを取り寄せ、確認する必要があります。

 c.物件環境の問題
物件環境の問題とは、「物件が高圧線の下にある」「近くに高層マンションが建つ」「幹線道路沿いで夜中もうるさい」「電車が近くを走っていて、家が揺れる」「ゴミ処理場の近くで異臭がする」等の問題のことです。

このような問題に関しても、近隣からの情報収集が一番有効ですので、購入前には聞き込みをするようにしましょう。


d.欠陥住宅
「建物が沈下している」「雨漏れがある」「シロアリやカビが発生している」という類のもの。詳細なチェック方法は後述しますが、少なくとも事前に建物調査などを行い、大きな欠陥が存在しないかを確認する必要があります。